開発のあゆみ【4】 雪中貯蔵掘り出し2010年3月
雪のゆりかごで眠ったすすきの美人は、100日間静かに熟成を続け、2010年3月30日、目覚めの時を迎えた。
2009年12月21日、雪の中に埋めたすすきの美人タンク。冬をじっと耐え、北海道の自然から生まれた酒を、ついに味わう時がきた。
想像以上に固まっていた雪を掘り、少しずつ姿が見えてきたタンク。2時間かけて掘り出し作業は終了した。
慎重にタンクの蓋を開けると、酒の香りが周りに広がった。真剣な表情で杜氏が味を確かめる。続いて私達も。思った通りいい仕上がりだ。初しぼりの初々しいフレッシュさと100日のスローな熟成のバランスのとれた味だ。
早く沢山の人に楽しんでもらいたい…。あとは酒蔵に酒を移動させ、瓶詰をし、蔵出しの時を待つのみとなった。
名久井 俊男